仕事のやりがい

Vol.010
2024.03
事務
勤続年数: 5年5ヶ月

思いやりの心

福祉職に就き18年。私は今、地域医療連携室で地域の相談窓口として患者家族、急性期、クリニック、診療所、福祉事業所、公的機関等より救急相談や地域包括、回復期への入院相談を受けている。その他、総合相談では入院、外来、地域住民等からの多岐に渡る相談援助に関わらせていただいている。当たり前の日常生活を送っていたが、ある日突然病を患い、日常生活困難な状況に陥り、不安、苦しみ、悲しみを抱き支援の手を求めてくるクライエントは多い。そんな苦しみの中にいるクライエントは怒り、悲しみという困難な状況の中で複雑な感情を抱き、援助者へぶつけてくる事もあるが、あるがままの感情の全てを受け入れ、受容、傾聴と何度か対話を重ねるうちにラポールが形成される。クライエントが援助の手を受け入れられた段階で自己実現を目指し、有する長所、力、強さに着目し自らの力で進めていける様、エンパワメントしていく。私はその相談援助の過程にやりがいを感じている。クライエントと面談を重ねる度に少しずつ笑顔を取り戻していく場面に出会える瞬間も嬉しい。18年前の私は、援助する意味を理解せず話を聞く事が精一杯であった。今は、援助過程では誠実な態度で傾聴し、クライエントと対話ができる関係性を構築していく中で、どのような境遇にあるクライエントも成長していく可能性があるという事を理解した。福祉職は対人援助であり決まった答えのない中で支援方法を探っていく為、悩む事もあるが私が大切にしているのは『思いやりの心』である。援助に迷った時、思いやりの心を持って援助に関わる事で、困難事例も紐解けていく事もある。やりがいは作るものではなく結果として得るものであるからこそ、今後も相手の立場で思いやりを持ち、共に悩み共に考えられる援助者としてクライエントへの支援に携わっていきたい。そういった相談援助の過程で自ずとやりがいを感じて、仕事への意欲に繋がるものだと思っている。